B級科学者もどきの憂鬱

とある理系になりきれない奴のつれづれなる活動記

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複素数は存在するか?

ついに一月以上空いてしまいました。
とりあえず今月は、頑張ってあと二回書けたらいいなと思います。
といっても、既に半月以上が過ぎていますが……。
今回は、数学の初学者向けの書籍でよく見る話に一言言いたいと思います。

複素数なんて現実には存在しない、なんてことを、
数学が苦手な人のみならず、得意な人からもたまに聞きます。
虚数の重さのリンゴ、なんてあるわけない、というわけです。

気持ちは分からなくも無いですが、
もしかしたら、数というものを、実生活との直接的な関わりだけで
理解しようとしているのかもしれません。

複素数について考える前に、まずは、
「1」は存在するだろうか? という、
少々哲学じみた問題を考えてみます。

「1」は日常生活の様々な所で現れます。
一期一会などのことわざや、一メートル、一点、一番など、
探せばいくらでも例は見つかるでしょう。

では、「1」そのものを見たことがある人は居るでしょうか?
「1」を文字として見ることは簡単に出来ますが、
一回、一メートル、一秒、それらに共通する「1」という何かは、
見ることも聞くことも出来ないものですよね。

当然ながら、「1」は物質で出来ているわけではありません。
結局のところ「1」とは、一回、一メートルなどのような、
ある特定の事柄が持つ性質のことなのです。
概念、と言い換えることも出来ます。

これと同じことが、他の数にも言えます。
つまり、数というものは、概念上は「存在」しますが、
実体は人間の頭の中にしかないのです。

複素数も同じです。
二乗したら負の数になるような概念を数学者が考え、
頭の中にしかないその数をこねくり回して、その性質を調べ、
色々便利そうだと分かったので、工学などにも応用されていった、
というわけなので、当然ながら実体はありません。

なので、複素数が現実には存在しない、というのはある意味事実です。
ただ、同じ理由で、自然数も現実には存在しません。

ですが、自然数よりも複素数のが実感がわきにくいのも事実です。
確かに、複素数を使った慣用句とかありませんしね。
しかし、数学に限らず、現代の自然科学では、
複素数は無くてはならないものです。

例えば、交流電気回路の計算では、
複素数が無いと、計算が非常に複雑になります。
工学に様々な応用のあるフーリエ解析という分野では、
複素数を使うと、議論の見通しがとても良くなります。

上の2つの例では、ギリギリ実数だけでも議論できますが、
現代物理学の代表分野の一つである量子力学では、
基礎となる方程式に複素数が含まれているので、
複素数がなければ、議論がほとんど進展しません。

ただ単に周囲で見ないから、という理由で複素数を毛嫌いするよりも、
存在するということにしておけば、世の中はとても便利になる。
そんな程度の気楽な考えでも、私はいいと思います。
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ネットワークの一般化

ゴールデンウィークも仕事です。
でも平日ほど忙しくないので、ブログが書けます。
というわけで三週間以上ぶりですこんばんは。

ニューラルネットワークという言葉をご存知でしょうか?
詳細は例によってWikipediaなんかを参照して欲しいのですが、
簡単に言うと、神経細胞の集まりをシミュレーションするためのモデルです。

神経細胞というのはもちろん、脳や神経を構成しているもので、
細胞本体から別の細胞へ、腕を伸ばして電気信号をやりとりしています。
例えば、運動神経の方に電気信号を送れば、筋肉が動いたりするわけです。
この神経細胞をモデル化のために少々簡略化したものがニューロンで、
これらが腕を伸ばして構成しているネットワークを、ニューラルネットワークと言います。

ところで、我々が日頃お世話になっている電話回線も、
電気信号を網の目上に張り巡らせた線の上を流しているわけで、
ある意味ニューラルネットワークと似ているわけです。
この発想で、電話回線が知能を持つというSFがあるそうです。
人づての情報なので詳しくは知りませんが。

これをもう少し発展させて考えてみます。
今は電気信号だけでなく、光ファイバーを使って、
光信号もやり取りしているわけですから、もっと抽象化して、
個々の情報端末が信号(情報)をやり取りしている、と考えられます。

人間のコミュニケーションも似たようなもので、
会話などによって相互に情報をやり取りすることで、
友人関係、恋人関係などのネットワークを形成しているわけです。

人に限らず、例えば惑星などは、重力という形で相手の位置情報を伝え合い、
それに応じて自らの位置情報を修正していると見ることが出来ます。
そんなふうに考えれば、相互作用しているものは全て、
ある種のネットワークを形成していると言えます。

様々な所で、ネットワークという共通する構造が見つかりました。
それならば、共通する性質もあるのではないでしょうか?

神経科学において、脳機能局在論というものがあります。
これは、脳は部分ごとに役割分担がされているという説です。
実際に、特定の部位を損傷すると言語能力が減退する等により、
脳機能にある程度の局在性があることが確かめられています。

ネットワーク上に形成された塊という点では、
人間関係にも似たようなものが存在します。
例えば、学校のクラスでいくつもの友達グループが勝手に生またり、
政治的な志を同じくする人たちが政党を作ったりする等です。

マクロなところでは、球状星団や宇宙の大規模構造がこの一種といえるでしょう。
ミクロなところでは、コロイドや粉体などもそうです。
とても広い範囲で同じような仕組みがあるようですね。

出来ればこういう事を数学的に示したいものです。
つまり、ネットワークという概念を定義して、
それらにどんなルールがあれば、どんな組織化が成されるのか、
そういうことを理論的に明らかにしてみたいですね。
ネットワーク学、みたいな学問分野が出来たりしないでしょうか?

二次元に入る際の倫理的問題

更新が遅れる時は、私が睡眠時間を削るくらい忙しい時です。
というわけでお久しぶりですごめんなさい。

小説やアニメの中に入りたい、
二次元に行きたいという話をよく聞きます。

通常は『そうだね行きたいねー』なんて言って、
すぐに終わる程度の話題でしか無いのですが、
バーチャルリアリティーの技術も日々進歩していますし、
いつか本当に入れる日が来るかもしれません。

そうなった時のために今回は、創作された世界には
どんな人物として入るべきなのか、ということを、
倫理的観点から考えてみたいと思います。

異世界に入る際、恐らく一番多いと思われるのが、
元の登場人物として入るというものです。
これ、元の人物の意識はいったいどうなるのでしょうか?

単純に現実世界の人の意識を入れるだけであれば、
元の登場人物の意識は消滅するので、ある意味、殺人です。
これはいくら創作人物であったとしても、
倫理的に相当な問題があるでしょう。

現実世界の人と意識が入れ換わるのであれば、
創作世界の人は、突然異世界に召喚されることになります。
大抵の場合、それはかなり不幸な出来事のはずですよね。
これも出来れば避けたい事です。

というわけで、もし創作世界に入る場合は、
元の登場人物として入るのではなく、
新しい人物として入る必要があります。

入り込む以上は、生い立ち等のような設定も
相当細かく決めておかないと、怪しい人間として
向こうの世界で捕えられたりするかもしれませんが、
まぁ実現するとしても遠い未来でしょうから、その辺に関しては、
進化したコンピュータが適当に色々やってくれるでしょう。

もしどうしても登場人物として入りたい場合は、
創作世界の要素を、入れ換わりたい登場人物以外は全てコピーして、
別の世界を作ってから、そこに入る、という廻りくどい方式になります。
まぁ、これで本当にその世界に入ったと言えるのか、
というと微妙ではありますが……。

これは考察ではなく個人的な意見なのですが、
個人的には、無理に登場人物として入ったところで、
入った人と登場人物が性格も言動も完全に一致するはずが無いのですから、
怪しまれて物語が崩壊して終わり、というオチじゃないかと思います。

原始惑星系円盤の初等的解析

太陽などの恒星は、宇宙に浮かぶ細かな塵が、
自身の重力で集まって出来たものだということは、
宇宙に興味のある人なら知っているかもしれません。

収縮した塵は、大部分は中心の原始星となりますが、
一部は周囲に残り、土星の輪のように円盤状に集まって、
原始星を中心とする回転を始めます。
これを原始惑星系円盤と呼びます。

今回は、大学初等年度程度の力学の知識を用いて、
原始惑星系円盤の解析を試みます。
これが、前に言っていた力学の問題です。

この解析を詳細に行うとなると、
分量が本一冊どころじゃなくなりますので、
大まかな所を適当に分析します。
それでもこの記事、今までで一番長いですが。

まず簡略化するための前提をいくつか。
原始惑星系円盤の内部にある塵の公転軌道は、
全て原始星を中心とする完全な円軌道であるとします。
また、軌道は全て一平面(赤道面)上にあるとします。

また、原始星と塵の間の相互作用は重力だけであるとします。
例えば、塵同士の衝突・摩擦によって出来る静電気、
原始星の発する光の圧力などは全て無視して、
純粋な力学的要素のみを扱います。

ところで、角運動量という言葉はご存知でしょうか。
角運動量は、回転の中心からの距離と、
物体の運動量との積で定義されます。
例えば、半径3mの円軌道を2m/sで運動する1kgの質点の角運動量は、
距離×運動量=3[m]×(1[kg]×2[m/s])=6となります。

角運動量には、運動量と同じような保存則があります。
多数の物体の角運動量の和は、外力が無い場合は
常に保存するというもので、これを角運動量保存則と呼びます。

外力というのは、解析の対象としている物体の外部から働く力です。
原始惑星系円盤の場合、原始星以外の恒星からの引力などが相当します。
今回はそれも無視できるレベルであったとします。

しかし内力はあってもかまいません。
内力というのはつまり、解析対象の内部で働く力です。
例えば、原始惑星系円盤の内部で塵が衝突したときに働く力などです。
この場合でも、衝突した欠片の角運動量の和を計算すると、
衝突前の欠片の角運動量の和と一致するはずです。

原始惑星系円盤内部の塵は、回転するうちに衝突・合体を繰り返し、
最終的に惑星の大きさにまで成長します。
これが現在の太陽系です。

回転する物体同士が衝突しても角運動量の総和が不変なら、
原始惑星系円盤だった頃の太陽系の角運動量の和と、
現在の太陽系の角運動量の和は、一致するはずです。

ということは、現在の太陽系の角運動量を計算すると、
原始惑星系円盤の角運動量がわかるということです。

というわけで計算してみました。
簡単のために、小惑星や準惑星は除外しています。
必要な数値は全部Wikipediaから取ってきました。
で、結果はこんな感じ。%は全角運動量に対する比率です。

角運動量の計算結果(単位:kg・AU/y)
水星:1.290×1024(0.003%)
金星:2.603×1025(0.059%)
地球:3.754×1025(0.085%)
火星:4.978×1024(0.011%)
木星:2.724×1028(61.536%)
土星:1.103×1028(24.928%)
天王星:2.392×1027(5.403%)
海王星:3.530×1027(7.975%)
合計:4.426×1028

木星と土星が圧倒的に大きいようです。
逆に火星以内の惑星は、全部合計しても1%もありません。
天王星と海王星も、木星などに比べると小さいですね。

この理由は、以下のように考えられています。
原始惑星系円盤の回転速度は、中心からの距離によって違いますよね。
ということは、ある半径で回転しているガスと、
それより少し大きい半径で回転しているガスとの間に、
いくらか摩擦が働くはずです。

摩擦によって、内側にあったガスは
回転速度が弱まり、より内側の軌道に移ります。
逆に、外側のガスはより外側の軌道に移ります。
つまり、ガスの角運動量は、摩擦によって、
どんどん外側に移動していくことになるのです。

一方、内側のガスは、摩擦によって逆に角運動量を奪われ、
どんどん中心の星に向かって落ち込んでいきます。
内側は原始星に近いので、蒸発してガスになっていた成分(氷など)も多く、
結局残るのは、揮発しにくい岩石などのみになります。

そして外側の領域(木星より外側ぐらい)では、
内側から角運動量を得て移ってきたガスが、
蒸発を免れた塵成分(氷など)を核にして集まり、
巨大なガス惑星が誕生します。

では、天王星と海王星の角運動量が低いのは何故でしょうか。
この原因は、原始星から遠すぎることにあります。

実は、惑星形成のスピードは、原始星から近いほど速いのです。
天王星や海王星は、太陽から遠いために形成が遅れ、
その間にガスがさらに外側に拡散してしまったため、
あまりガスを取り込めず、大きくなれなかったと言われています。

さてここで、目ざとい方は気付いたかもしれません。
天王星などが取り込む予定だったガスが拡散してしまったのなら、
角運動量も一緒に拡散してるはずだから、
原始惑星系円盤と今の太陽系で、角運動量は保存してないじゃん! と。

確かにその通りです。
でも多分その程度は、惑星だけを計算対象とした時点で、
小惑星とか準惑星とかカイパーベルトとか無視しているので、
その分の誤差の範囲に含まれているかなぁと思います。
違っても多分一桁ぐらいでしょう。

それに拡散量の計算を行うのは、
ちょっとこのブログじゃ手に余るので、
誤差ってことで勘弁してください。


最後に、補足と注意、問題の経緯について。

話を色々と簡単にするために、
厳密性は相当犠牲にしました。
上に書いたことで厳密でない部分は、次の通り。
・太陽系形成の歴史
・角運動量
・角運動量保存の法則

……ほとんど全部ですね。
まぁつまりこの記事で言いたかったのは、
角運動量保存則という簡単な法則から、
原始惑星系円盤という壮大な対象も
大まかに解析出来ちゃうんですよってことです。

そのために必要最低限な内容だけを紹介しました。
一応、物理の得意な高校生なら分かるように、
つまり大学新入生に最初に話す内容くらいを
想定して書いたつもりです。

流し読みくらいでは全部は分からなくとも、
概略ぐらいはある程度わかるかな、と思います。
逆に言うとそのレベルの話しかしていないので、
厳密に言うのはほぼ不可能であることもお分かり下さい。

大学で角運動量というものを習っても、
普通、演習問題として与えられるものは、滑車などが多いです。
あまり物理学のホットな話題を直接扱うことは無いようなので、
夢を持って入ってきた学生にはあまり面白くないのではないかと思います。

でも多分、学生が本当にやりたいのは、
こういう夢のあるテーマじゃないでしょうか。
少なくとも私が問題を出される側なら、そう思います。
勉強って、興味を持てないとあまり身が入りませんよね。
そういう意図で、こんな問題を作りました。

他にも色々考えました。題材としては、
・探査機のスイングバイの軌道計算
・簡単なカオス現象の解析
・原子の原子番号の最大値の計算
などです。その中でも一番壮大だったのがこれでした。

記事では結局角運動量についてしか考察しませんでしたが、
実際に話す際には、原始惑星系円盤の密度分布なども
含めたりしてもいいと思います(各惑星の質量から概算できる)。
それから、これは天体物理学の活発な研究テーマの
一つであるということも、最初に言っておくべきでしょうか。

ちなみに、この問題を友人に話してみたら、
「話題が身近じゃないのでイメージしにくい」
「理解に必要な知識が多すぎる」
と言われてしまいました。残念。

ボビンを引っ張る話

今までで一番間隔が空きました。
すみません、めちゃくちゃ忙しかったんです。
どれくらい忙しかったかと言うと、
一週間の睡眠時間を合計しても半日行かない位です。

ところで、ボビンってご存知でしょうか。
ミシンの下糸を巻いておくあれです。
それに関するちょっと面白い問題を聞いてきました。
ちなみに昔、テレビでやっていたらしいです。
今回の記事はその話です。

ボビンを床に下図のように置きます。
ただし、床には十分摩擦があるとします。
この状態で糸を横に引っ張った時に、
ボビンはどちらに動くか、というのが問題です。
糸はほどけていくでしょうか、それとも巻かれていくでしょうか。

ボビン

高校物理の範囲では、転がる物体の解析は
基本的に出来ないはずなのですが、
ちょっと工夫して解いてみます。

まず、正方形の形をしたボビンを考えてみましょう。
こんなものは実際には存在しないでしょうが、
あくまで便宜上ということにしておいて下さい。
これをさっきと同じように置き、横に引っ張ってみます。

ボビン正方形

ここで点Oを中心とする力のモーメントを考えると、
点Aにかかる糸の張力は左周りの方向なので、
このボビンは左向きに倒れようとすることがわかります。
糸を引き続けていけば、何度も倒れ続け、
結局ボビンは左方向にどんどん転がっていきます。

ではボビンが正五角形だったら?
さきほどと同じように考えていけば、
やはり左向きに転がっていくことがわかります。

同じように正六角形、正七角形……とやっていけます。
円は正無限大角形とも言えるので、結局元の円形ボビンも、
同じように左に転がることが分かります。

ところで、糸を上に引っ張ったらどうなるでしょうか。

ボビン糸上向き

これも点Oを中心とする力のモーメントを考えてみると、
今度は右向きに転がっていくことがわかります。

さて、左に引っ張ったら左回転をし、
真上に引っ張ったら右回転ということは、
その間の絶妙な角度で斜めに引っ張ると、
ボビンが一切回転しないということが有り得るはずです。
それが、下の図の場合です。

ボビンずりずり

この場合、点Oを中心とするモーメントは0になり、
ボビンは一切回転せず左にずりずりと引きずられていきます。

家でも簡単にできる実験ですので、
ボビンをお持ちの方は是非一度やってみて下さい。
ヨーヨーなどでも出来ます。

実は最近、大学初年度に習う程度の力学で解ける、
皆が面白いと思えるような問題は無いかと言われて、
色々探していた時に見つけたのが上の問題です。
私はこれとは別にオリジナル問題を考えてましたが、
それは次回にでも書きます。

>>bagabaさん
TIPSエンジンでは無圧縮どころか、
全部doubleに変換して読み込んでます。
それでも遅くならないのは、
exeのファイルサイズが比較的小さいのと、
メモリ使用量がそんなに多くないせいです。

メモリ関連の最適化も結構奥が深いですよね。
私が実際によくやる方法は例えば、
HDDからの読み込みはシーケンシャルアクセスにし、
出来る限り回数を減らす、何度もnewしない等ですかね。
もちろんメモリ使用量とかも気にしますけど。

最適化は楽しいのですが、
一度やり始めるとあれもこれもとやりたくなるので、
ある程度で妥協せざるを得ないのが困りものです(笑)

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まとめ

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